429.東京ドームの放射線量が除染基準の6倍近い高さなのはなぜか?

↑画像:AKB48単独東京ドームコンサート...
(1)フライデー<2015年3月20日号> 放射能は減っていない! 首都圏の“危”要除染スポット


↑画像:フライデー<2015年3月20日号>
福島第一原発の事故から4年。首都圏は、いまだ放射性物質にまみれている。左ページの地図と表をご覧いただきたい。
本誌は2013年3〜4月、2014年7〜8月と過去2回にわたりJR東京駅やサンシャインシティ、フジテレビ前など有名スポットの放射線量を独自に測定した。今回(2月28日〜3月2日)20カ所をあらためて測定すると、15カ所でホットスポット(国が除染基準とした毎時0.23マイクロシーベルトを超える場所)が見つかったのだ。
そこに1年間いると、ICRP(国際放射線防護委員会)が安全の基準とする1mSvを超える被曝をすることになる。
最も高い放射線量が出たのが東京ドームだ。実に除染基準の6倍近くになる。毎時1.34マイクロシーベルト(単位は以下同)を計測。3年連続で基準を大幅に超える数値が出た。
測定したのは三塁側外壁の外壁の廃棄物集積場近くにある落ち葉などの堆積物を積み上げた場所だ。人通りも多い。風が吹けば、大量の放射性物質を含んだチリを吸い込み内部被曝する。
通りがかった女子高校生グループの一人があきれる。「ここに、そんな危険なところがあるなんて全く知りませんでした。原発事故なんて、もう誰も気にしていませんから。でも、私たちのいずれ結婚して子供を産む身なのに、被曝してガンにでもなったら恐いな…」
多くの若者が行きかうJR渋谷駅ハチ公前の広場でも、0.3マイクロシーベルトを記録。ここも3年連続で除染基準を上回った。
20歳の女子大生が話す。「マジ、渋谷もヤバいの? ネットで検索してもそんな情報わからないからどうしようもないよね。通学路だから避けて通れないし、役所はどうして何もしてくれないんだろう」
原発事故から4年たっても、なぜ放射線量は下がらず高濃度の汚染スポットが存在するのか。原子力資料情報室の共同代表・伴英幸氏が解説する。
「原発事故から放射性物質が残っているケースと、谷など地形上の理由で雨水がたまり線量が高くなるケースが考えられています。都内では後者が多い。放置しては改善しません。汚染源の堆積物を放射性物質として管理すべきです」
東京都も市区も要除染スポットへの反応は鈍い。実績といえば2−12年6月に水元公園(葛飾区)の空間線量が周辺より1マイクロシーベルト高いとして、都が園内を除染したぐらいだ。
今回、1マイクロシーベルト超を計測した東京ドームのある文京区は次のように答える。「(都は)放射性物質汚染対策特措法の対象地区街なので、本格的な除染はしていません。区の施設で地表1mの放射線量が0.23マイクロシーベルトを超えれば、敷地内の砂をとりかえるなど清掃はします。ただし、民間施設は別です。測定器を貸し出して、相談に乗るぐらいしかできないのが実情です」(環境政策課)
”汚染都市”東京の市民が被曝の不安から解放される日は遠い。
本誌測定値の最も高かったもの。除染基準となる0.23マイクロシーベルト以上の場所↓
東京ドーム 1.34
成田空港 0.45
東京ディズニーランド 0.42
羽田空港 0.36
上野恩賜公園 0.35
浅草寺 0.35
恵比寿ガーデンプレイス 0.35
フジテレビ 0.34
JR渋谷駅 0.31
月島高層ビル群 0.30
池袋サンシャインシティ 0.27
JR東京駅 0.24
東京電力本店0.24
葛西臨海公園0.23
新宿中央公園0.21
海の見える丘公園0.18
皇居 0.11
早稲田大学 0.1
東京スカイツリー0.06

(2)東京ドームの放射線量が除染基準の6倍近い高さなのはなぜか?
この記事、本当はもっと早くUPしたかったのですが、相変わらず極めて多忙な為、本日になってしまいした。
首都圏の放射性物質の状況が、マスメディアでほとんど語られない現状で、このフライデーの記事はあっぱれである。
「首都圏は、いまだ放射性物質にまみれている。」とか「”汚染都市”東京の市民が被曝の不安から解放される日は遠い。」といった、実に的確な他のマスメディアではなかなかお目にかかれない良い表現をしている。
とは言え、東京ドームの放射線量が除染基準の6倍近い高さなのはなぜか、他の地点の核汚染度と比べて際立って深刻な状況であるのはなぜかの説明がきちんとなされていない。
えっ、福島原発のせいだって主張しているではないかって? それだと、東京ドームが他の地点の核汚染度と比べて際立って深刻な状況である説明としては実に弱い。
「谷など地形上の理由で雨水がたまり線量が高くなるケースが考えられています。」と言う説明が書いてあります。本郷台地の西側の谷にある東京ドームの説明に一応当てはまります。
でも、谷に当たる場所に位置しているJR渋谷駅は、東京ドームよりずっと核汚染度は低いですよ。それに、JR渋谷駅の位置の方が、東京ドームがある場所より谷の度合いが高い。つまり、雨水がたまり線量が高くなりやすい。
すなわち、この説明でいくとJR渋谷駅の方が、東京ドームよりずっと核汚染度が高くなっていいはずなのに、現実はそうはなっていない。いったい何故なんだろう?

(3)東京ドームの放射線量が除染基準の6倍近い高さなのは、近くに東京地下原発があるからです。
拙ブログ「410.なぜ東京大学は東京地下原発を東京都文京区本郷5丁目近辺の地下に設置したのか?」をお読みになると疑問は氷解します。410はこちら。
東京ドームも文京区にあります。

(4)千葉県立柏の葉公園で放射線基準値超え
http://www.chibanippo.co.jp/news/national/244484
千葉県は3月6日、柏市の「県立柏の葉公園」で、国の基準値(毎時0・23マイクロシーベルト)を上回る空間放射線量が検出されたと発表した。県は安全確保のため、基準値を超えた園内6カ所周辺を立ち入り禁止とした。
県公園緑地課によると、県は今月、園内の307カ所で空間放射線量を測定。基準値を超えたのは西洋庭園北側脇の植栽など6カ所で、地上50センチ地点では0・24~0・35マイクロシーベルトが検出された。
県は今後、国のガイドラインに基づき除染作業を行う方針。

(5)千葉県立柏の葉公園は、東大柏キャンパス・宇宙線物理研究所の近くです。
(4)で紹介した千葉県立柏の葉公園の核汚染は、福島原発の影響というより、東大柏キャンパス・宇宙線物理研究所や東京地下原発の影響の方が大きいかもしれません。東大柏キャンパス・宇宙線物理研究所についても410の記事に記載されています。
それでは、410の記事の「(15)関東強度汚染地帯は東京大学の核・素粒子研究エリア」で掲載した地図を再掲載しましょう。

↑地図:東京大学研究施設
図上に記したの1~4までの施設はそれぞれ次のようになります。
1.言わずと知れた東大本郷キャンパス:理学、工学、その他
2.東大柏キャンパス:宇宙線物理研究所
3.東大つくば分室:物性研究所(粒子加速器)
4.東大東海キャンパス:原子力工学


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