173.「食べて応援」は欺瞞だったのか?

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↑世界が輸入禁止にしている日本の食品

(1)2012年11月18日日曜日「当分の間、摂取及び出荷を差し控えるよう」という総理指示が、福島県など東北・関東各県知事に

首相官邸のホームページに「総理指示」という驚くべき情報が、素っ気なくというか、無味乾燥にというか、きわめて事務的に載っていた。

 この「総理指示」、新聞ではまだ見ていない。これを報じたマスメディアはあるのだろうか。

 「総理指示」は、このHPの「政府の地震情報・生活支援【東日本大震災への対応】」というページの下「直近の政府発表」で見つけた。http://www.kantei.go.jp/saigai/

 「総理指示・出荷制限(福島県)」というように、福島や東北・関東の各県名が記載されている。そしてクリックすると出てきたのは、「指示」というタイトルが付されたPDFだ。サンプルをご覧いただこう。

指 示
平成24年11月13日

福島県知事
佐藤 雄平 殿

原子力災害対策本部長
内閣総理大臣
野田 佳彦

貴県に対する、原子力災害対策特別措置法(平成11年法律第156号)第20条第2項に基づく平成24年11月12日付け指示は、下記のとおり変更する。
                  記
1.福島県田村市(東京電力株式会社福島第一原子力発電所(以下「福島第一原子力発電所」という。)から半径20キロメートル圏内の区域に限る。)、南相馬市(福島第一原子力発電所から半径20キロメートル圏内の区域並びに原町区高倉字助常、原町区高倉字吹屋峠、原町区高倉字七曲、原町区高倉字森、原町区高倉字枯木森、原町区馬場字五台山、原町区馬場字横川、原町区馬場字薬師岳、原町区片倉字行津及び原町区大原字和田城の区域に限る。)、川俣町(山木屋の区域に限る。)、楢葉町、富岡町、大熊町、双葉町、浪江町、川内村(福島第一原子力発電所から半径20キロメートル圏内の区域に限る。)、葛尾村及び飯舘村において産出された非結球性葉菜類について、当分の間、摂取及び出荷を差し控えるよう、関係自治体の長、関係事業者及び住民等に要請すること。

http://www.kantei.go.jp/saigai/pdf/20121113siji_fukushima.pdf

 このような市町村名、野菜や穀物、魚介などの食料品名を記した文言の項目が38あり、それが「当分の間、摂取及び出荷を差し控えるよう、関係自治体の長、関係事業者及び住民等に要請すること。」で締めくくられている。

 ざっとみるとかなり広範囲で多くの地域と多品目の食料品が記載されている。

 これは福島県だけではなく、群馬県、岩手県、千葉県、宮城県もあり、今月<2012年11月>13日から16日までの日付なので、今後他の県も追加されるかもしれない。

 この「総理指示」には危険性と緊急性がはらんでいる、とみたのは筆者だけだろうか。

 政府はこれまで、食料品は放射性物質検査を受け、規制値をクリアしたものが消費者に届けられる、と言ってきたはずだ。

 だが、この「総理指示」はその検査のことは抜きにして、一般住民にも「摂取及び出荷を差し控えるよう」要請するものである。

 この「総理指示」に記載された食品から、かなり高い放射線が出ていることをうかがわせる。あの政府や役人さえも、こんな数値の食料品が一般市場に出回ってはやばい、と考えての「要請」だろう。

 ところで、千葉県にも「総理指示」は出されているが、千葉県柏市の住民である筆者には18日午後1時半現在、自治体からなんの「要請」も届いていないんだけど。

追記 千葉県知事が「鈴木栄治」という森田健作の本名になっていた。

(2)首相官邸 東電福島原発 放射能関連情報 最新情報

2012.11.16 宮城県栗原市旧金成村で産出されたソバについて出荷制限を指示しました。(原子力災害対策本部)2012.10.31 青森県の一部海域で漁獲されたマダラについて、出荷制限の解除を指示しました。(原子力災害対策本部)2012.9.19 福島県舘岩川で採捕されたイワナについて、出荷制限の解除を指示しました。(原子力災害対策本部)

(3)復興というより、日本人総被爆化予算か?「食べて応援しよう」CM料 首都圏分で総額7860万、全国分は8700万

(略)「食べて応援しよう」のスポットCMは昨年夏に首都圏各局で800回、

今年春には全国のテレビ局で1200回

(略)CM料は首都圏分で総額7860万円、全国分は8700万円

>ちなみに、このCMに出演したTOKIOは出演料無料のボランティアだった。復興予算をあてにするばかりのメディアは爪の垢でも煎じて飲んだらどうなのか

(4)震災復興予算の流用問題 大メディアと国会は2か月も頬被り

週刊ポストが8月10日号(7月30日発売)でスクープした震災復興予算の流用問題がここにきて大騒ぎになっている。9月9日のNHKスペシャルが「追跡 復興予算19兆円」と題して報じると、朝日、毎日、読売など各紙や民放各局が10月に入って一斉に批判報道を展開し、国会にも飛び火。自民党は衆院決算行政監視委員会の閉会中審査を要求し、政権側は委員会を開かせないために民主党委員を欠席させる暴挙に出た。

 あまりにも白々しい騒ぎである。

 NHKなど各メディアの報道は、総額19兆円の復興予算が、東京の税務署改修や北海道・沖縄の道路建設、果ては捕鯨反対運動への対策費まで復興とは関係のない事業に役人によって流用されているという、本誌報道の丸パクリである。それもそのはず。各紙記事は衆院の決算行政監視委員会の調査をもとにしているが、そもそも調査の発端は、本誌記事に関心を持った委員の提案によるものだったからだ。

 いや、パクられたことに目くじら立てるつもりはない。重大なのは、大メディアと国会は、本誌が8月はじめにこの事実を報じてから2か月以上、頬被りを決め込んでいたことにある。知らなかったとはいわせない。

 当時は国会で消費増税法案の審議がヤマ場を迎えていたが、本誌が取材した自民党議員たちは「この記事は重大。国会で追及する」と意気込み、財務省は「消費増税法案が吹き飛びかねない」(主計局若手)と飛び上がって国会追及に備えた想定問答集を作成し、新聞もただちに後追い取材に取りかかっていた。ところが、そうした動きはピタリと立ち消えになった。コトが重大すぎたからである。

 この復興予算流用問題の本質は、財務省をはじめとするシロアリ役人と政治家が「復興のため」と国民に増税を強いながら、巻き上げた税金を被災者のためではなく、庁舎の改修やハコ物公共事業などシロアリの利権拡大に好き放題使っていた「騙し増税」の構造にある。

 消費増税も同じだ。国民には「社会保障のため」と説明しているが、実際は社会保障の充実には使われず、民自公3党と霞が関の間には、「増税による税収のうち毎年5兆円は防災の公共事業にあてるという暗黙の合意がある」(自民党大蔵族のベテラン議員)という。

 あのとき、国会追及や大メディアの報道が行なわれていれば、消費増税法案への批判が一層高まって廃案になる可能性があった。

 だからこそ、増税推進派の大メディアと自民党は、消費増税法案成立まで黙殺し続けたのではないか。NHKスペシャルで“報道解禁”となったのは増税法案成立の1か月後だった。

 それなのに通常国会が閉幕してから「閉会中審査」を要求する自民党もちゃんちゃらおかしいし、「増税が決まったから安心だ」といわんばかりの大メディアの2か月遅れの追及報道は、シロアリの“パシリ”だったことを隠すアリバイにすぎない。

 当然、パシリにも分け前がある。大メディアは決して報じないが、復興予算には、総額30億円超にのぼる「新聞・テレビへの口止め料」が含まれているのだ。

 東日本大震災から3か月後の昨年7月から1か月半、TBSは『夏サカス2011~笑顔の扉~』と題したイベントの一環で、本社のある複合商業施設・赤坂サカスで被災地の農産品を即売、『旬の食べ頃』など自社のテレビ番組とタイアップして被災地の復興を応援する企画を行なった。

 実は、そのイベントは農水省の「農産物等消費拡大事業」という復興予算で行なわれ、イベント関連に525万円、番組に2500万円の補助金が流れていた。

 同社は今年9月、赤坂サカスで実施した地産地消の普及イベント(2009年実施)で、農水省の補助金に補助対象外の土地使用料やスタッフの人件費などを水増し請求していたことが発覚し、2990万円を返還すると発表した。この復興支援イベントは、農水省の同じ課が担当した同じスキームの事業である。

 また、TBSは今年2~3月にかけて、BS番組『ニッポン美味しい笑顔紀行~東日本ギョギョうま編~』を5回にわたって放映。萩本欽一、農水省「お魚大使」のさかなクンらが石巻、気仙沼、釜石など被災地の漁港を回っておいしい魚の食べ方を紹介した。

 これも農水省の「食べて応援しよう!」事業であり、復興予算から5250万円の制作・放映料が支払われている。税金丸抱えの復興支援番組である。

 テレビ局がスポンサーを募り、自前で被災地支援番組を作るなら異論はない。しかし、復興予算の使い方には優先順位があるはずだ。農水省が、「被災地の魚を食べよう」という宣伝番組に復興予算を注ぎ込む一方で、岩手県・大槌漁協は震災の被害が大きすぎて再建できずに破綻した。それが被災地が切実に必要としている税金の使い方といえるだろうか。

 TBSはバラエティ番組『ひるおび!』で、「ココがヘンだよ復興予算」と題して流用問題を取り上げたが、補助金水増し請求までしていた同社はシロアリの同類であり、税金の使途を批判する資格があるとは思えない。

 復興予算ではほとんどのキー局で大量のテレビCMが放映された。TOKIOのメンバーが野菜を食べる「食べて応援しよう」のスポットCMは昨年夏に首都圏各局で800回、今年春には全国のテレビ局で1200回放映された。農水省がテレビ局に支払ったCM料は首都圏分で総額7860万円、全国分は8700万円だ。ちなみに、このCMに出演したTOKIOは出演料無料のボランティアだった。復興予算をあてにするばかりのメディアは爪の垢でも煎じて飲んだらどうなのか。

 復興予算のメディア対策費はローカル局にも流れていた。

 被災地のテレビ局、ラジオでは復興予算で支援番組が放映されている。例えばテレビ岩手(日本テレビ系列)では毎週土曜日『手を、つなごう。岩手』という約3分の内閣府提供番組を放映。

 番組制作費・放映料は1本80万円で、2年間の総額は4億5200万円。これは生活再建に取り組む被災者を紹介する内容だが、目的は住民支援というよりスポンサー難に苦しむローカル局支援の色合いが強い。

※週刊ポスト2012年10月26日号

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↑動画 矢島舞美 鈴木愛理
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