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135.なぜ日本の原子力発電所は必ず海のそばにあるのか?

福島第一原発 津波前
↑福島第一原発 津波前

福島第一原発 津波後 2011年3月12日
↑福島第一原発 津波後 2011年3月12日



(1)再度、「原発はエコで安上がりは大嘘!」と主張します!

本記事は、前回134番の記事の続きです。ですから、134番をお読みになってから、こちらの記事をお読みになるのがよろしいかと思います。

2012年6月8日18:00からの野田首相の会見で、「地球温暖化問題への対応」と言う表現が出てくる。

その表現を聞いて、もしかしたら、「原発推進が地球温暖化問題への有効な切り札となる」と未だに考えている方がいらっしゃるのではないかと考え、今回の記事を書くことにしました。

(2)海のそばにある日本の原発

冒頭の2枚の写真、2枚目の海の色、とてつもなく黒いですね。いったいなぜでしょうか?

その謎解きは、今回はしません。

日本の原発が海のそばにある理由の一つは、大量の冷却水が必要だからです。チェルノブイリの原発は、内陸部にありましたが、冷却水用の貯水池がありました。

チェルノブイリは、黒海まで約500kmバルト海まで約700kmもある。西側をカルパティア山脈、東側を中央ロシア台地にはさまれた巨大な回廊を形成し、北西にドニエプル低地、南東はウクライナの穀倉地帯で遮るものがほとんどない。なので、延々と汚染地帯が広がった。

福島原発の場合、核汚染水が大量に海に垂れ流された。もちろん、各地の河川も核汚染されている。拙ブログでも取り上げた利根川水系のホルムアルデヒド騒ぎは、利根川核汚染隠蔽の為に引き起こされたとする説がある。

 チェルノブイリの場合、海から遠いのでチェルノブイリから排出された汚染水は川を汚染した後、海に注ぐ。

 プリピャチ川がチェルノブイリ原発のすぐ横を流れ、キエフ湖、ドニエプル川へと流れ込んでおり、このプリピャチ川が猛烈な放射能汚染をしているのである。

 そして三千五百万もの人が利用している水源の貯水池が、チェルノブイリ原発の近くにあるという。東ヨーロッパからモスクワにかけての広大な地域が、深刻な放射能汚染の後遺症に悩まされ続けていることも明らかになっている。

日本の原発が海のそばにあるもう一つの理由は、核汚染水の排水に便利だからです。

(3)原発は発電所というより「海温め装置」

さて、(1)で綴った「原発推進が地球温暖化問題への有効な切り札となる」と言う考えを未だにお持ちの方々には、小出裕章の「原発のウソ」をぜひお読み頂きたい。

原発は海温め装置

 この本は、2011年6月2日に発売され、わずか20日間で17万部も売れた。

『原発のウソ』の序文の一行目に、「起きてしまった過去は変えられないが、未来は変えられる」と書いてある。

私もこの言葉を信じて、このブログを綴っている。

『原発のウソ』では、原発のことを「海温め装置」と言っている。

 小出裕章氏は、次のように述べている。

 何より温暖化対策を真剣に考えるのならば、膨大な温排水を出している原発こそ真っ先に停止すべきです。

 100万キロワットの原発の原子炉の中では、300万キロワット分のエネルギーが出ています。電気になっているのはたった3分の1で、残りの200万キロワット分のエネルギーは海に棄てています。

 私の恩師である水戸巌さんは、「原子力発電という名前は正しくない。正しい名前は『海温め装置』だ」と指摘されました。

 私はこれを聞いて、目から鱗が落ちる思いがしました。

 確かに原発のエネルギーの3分の2は海に棄てられ、海を温めているのですから「海温め装置」と呼ぶのが正当です。

 これは海の生物にとっては大迷惑な話です。

 100万キロワットの原発1基は、1秒間に70トンの海水を7℃温めます。

 東京の主要河川である荒川でも、1秒間に30〜40トンの流量だと思います。1基の原発は、荒川以上に巨大な川の水を7℃も温めて海に流しているのです。

 日本にある55基の原発全体からは、1年間に1000億トンの温かい水が排出されます。

 日本全土に降る雨の量は1年間で6500億トンで、そのうち川に流れるのは4000億トンです。

 つまり原発は、毎年日本の川を流れる水の4分の1に相当する量を7℃温めて海に戻しているのです。

 温暖化対策を真剣に考えるなら、炭酸ガスを問題にする前に真っ先にこの「海温め装置」を止めるべきです。

(4)弱いものいじめが喝采を浴びる今の日本 木洩れ日通信2012年06月04日付け記事より転載

★橋下大阪市長大飯原発再稼働容認に転ずる

 弱い者に徹底的に強く、強い者には逆らわない、典型的「ヤクザ・番長」路線なのに、なぜか閉塞感漂う世の中ゆえに人気を得ていた橋下がその馬脚を現したという印象。

 再生エネルギー推進の第一人者飯田哲也氏や元経産官僚で「改革派」と言われてきた古賀茂明氏を大阪市に顧問格で迎えていたのだから、「電気足りない」の関電や経産省の言い分のまやかしを承知しているはずなのに、この変節は、彼自身の息切れか、逆に首相の座も夢じゃないと考え始めたための「欲に目がくらんだ」行動かわからないけれど、大阪府市民の熱烈な支持もこれで行き場を失ってしぼんでいくのではと思う。もしそうならそれはそれで良きことだ。

 ただ「橋下現象」を橋下個人のキャラクターにのみ求めるのは危険だという意見もある。

 大学などで教師の側が橋下の言動に批判を加えると、学生からブーイングを受ける雰囲気があるという。
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 0年代ぐらいまでの左翼的学生運動に触れた体験がある団塊の世代からすれば、橋下の言うことは「支離滅裂、お粗末の限り」で、まともに批判を加える気にもならないものだが(そうやって馬鹿にしていると、日本の政治権力を乗っ取られて、とんでもないツケを払わされることになってしまうとは思うのだが)、それに同感する若い世代が多いというのはどうにかしなくてはという気持にさせられる。

 「連合赤軍」の陰惨な末路以来、社会変革のための運動を若者世代が避ける傾向になり、資本の側の巧みな攻勢の前に労働組合運動も変質・停滞させられ、追い討ちをかけるように「ソ連型社会主義」の崩壊で、社会主義政党もそれを超える運動を構築できないでいる状況の中で、若い世代が無防備なまま、「弱肉強食資本主義」の犠牲になって、橋下の公務員叩きにストレス発散している状況は哀しくやりきれない。

 高収入お笑い芸人の家族の生活保護受給が、「自助努力」を叫ぶ自民党議員によってあばかれ、謝罪・返還の騒動になったが、この芸人の「甘え」をたたくなら同時に輸出大企業の「消費税還付金ただ取り」も精査しあばいてもらいたい。

 片山さつき議員はその方は絶対しないだろう。

 上から下まで「弱いものいじめ」が横行する今の日本。

(5)読売新聞にすら指摘された大飯原発直下の活断層の可能性

拙ブログ「133.東京電力の清水正孝前社長は、菅直人前首相を批判できる立場か?」で(2)で読売新聞の読者層についてふれた。

読売新聞は、野田首相の大飯原発再稼働宣言を賞賛した。

地方紙も加えると、新聞の多くは野田首相の大飯原発再稼働宣言に批判的であるように思える。

そうした中で、さすが、日米の支配層の広報機関「読売新聞」である。

そうした有様の読売新聞でさえも、大飯原発直下の活断層の危険性について6月8日にようやく指摘した。

いずれにしても、支配層の「大本営発表」報道が他紙より多い読売新聞は、発行部数TOP故、この国の人々の多数派の意識形成に大きな影響力をもっている。

この国の人々の多数派の意識は、死刑制度容認のようだが、その立場の人々は、日本は古来より死刑制度が当たり前と考えているようです。

しかし、平安時代は数百年にわたり死刑制度が事実上なかった<停止されていた>。

平安時代末期に復活したのです。今日<6月10日>放送の大河ドラマを見るとそのことがよく解ります。

「我らは戯れる為に生まれてきた」と言う後白河の言葉が、今日<6月10日>放送の大河ドラマに出てきます。

 額に汗して働くことなく遊びほうけている支配階級の頂点にいる人物のおごり高ぶった言葉に、怒りを感じる視聴者はどのくらいいるのでしょうか?

平安時代のほとんどの時期は為政者が体たらくで、宮中の年中行事を無難にこなすことが生活の中心で、積極的な政策はほとんどなかった。それは教科書にも書いてある。

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